本棚を購入するとき、組み立て式と完成品のどちらを選べばいいのか迷うことがありますよね。できるだけ費用を抑えたいなら組み立て式が有力な選択肢ですが、大きな本棚になると「一人で組み立てられるかな」「途中で失敗しないかな」と不安になる方もいると思います。
一方、完成品なら組み立てる手間はありませんが、本体が大きいだけに、玄関や階段を通れるのか、設置する部屋まで運べるのかといった別の問題も出てきます。
私は家具メーカーで仕事をしていた頃、組み立て式と完成品のどちらも扱ってきましたが、本棚は価格や組み立ての手間だけで決めないほうがいいと感じています。たくさんの本を収納するなら棚板の耐荷重も確認したいですし、大型の本棚なら設置後の移動や、将来の引っ越しや買い替え処分まで考えて選ぶことも大切です。
この記事では、組み立て式と完成品それぞれのメリット・デメリットと、購入してから困らないために確認しておきたいポイントを、私の経験も交えながら紹介します。
組み立て式本棚のメリット・デメリット

組み立て式本棚は、購入費用を抑えたい方や、玄関・階段が狭く、大型家具の搬入が難しい住宅に住んでいる方に向いています。
特に高さ180cm前後の本棚では、完成品のままでは通れない場所でも、板状に梱包された組み立て式なら搬入できる場合があります。
一方、大型になるほど組み立てに時間と手間がかかり、一人では作業が難しいこともあります。購入前には、価格だけでなく、作業場所や組み立て人数も確認しておきましょう。
組み立て式本棚のメリット
完成品より価格が安い
組み立て式本棚は、完成品と比べて安く購入できる商品が多くあります。高さ90cm程度までのコンパクトな本棚なら、自分で持ち帰ることで送料を抑えられるため、ネット通販よりホームセンターで購入したほうが安くなることもあります。
ミホ車に積めるサイズであれば、近くのホームセンターの価格も比較してみてください。
小型の本棚なら移動しやすい
組み立て式には比較的軽量な本棚も多く、小型のタイプなら模様替えのときにも移動しやすいのがメリットです。ただし、大型になると組み立て式でもかなり重くなるため、「組み立て式だから軽い」とは限りません。
狭い玄関や階段でも運びやすい
組み立て式本棚は、板や部品に分かれた状態で梱包されています。完成すると大きな本棚でも、梱包された状態なら玄関や狭い階段、エレベーターなどを通しやすく、設置する部屋まで運びやすいのがメリットです。
ミホハイタイプの本棚でも、商品によっては2個口に分けて配送されます。
組み立て式本棚のデメリット
組み立てるためのスペースが必要
本棚を組み立てるときは、側板や棚板を床に広げて作業するため、ある程度のスペースが必要です。狭い場所で無理に作業すると、板をぶつけて角を傷めたり、フローリングに傷をつけたりすることもあります。
特に大型の本棚を購入するときは、設置場所だけでなく、組み立てる場所を確保できるかも確認しておきましょう。
大型本棚は一人で組み立てるのが難しい
組み立て式だからといって、すべての本棚を一人で簡単に作れるわけではありません。大型になると梱包された状態でもかなり重く、長い側板を支えながらネジを締めたり、組み立てた本体を起こしたりする作業も必要になります。
特に一人暮らしで大型本棚を購入する場合は、組み立てを手伝ってくれる人がいるかどうかも重要です。商品によっては二人以上での作業が指定されているため、購入前に組立説明書を確認し、必要であれば組み立てサービスの利用も検討しましょう。
長く使うとネジの緩みが出ることもある
組み立て式本棚は、長く使っているうちにネジが緩み、ぐらつきが出ることがあります。特に上段の固定に使われているネジは、ときどき緩みがないか確認し、必要に応じて「増し締め」しておくと安心です。
また、本をたくさん収納すると、重さによって棚板の中央部分が少しずつたわんでくることもあります。漫画や文庫本をぎっしり収納する場合は、本棚全体の大きさだけでなく、棚板1枚あたりの耐荷重も確認して選んでみてください。
完成品本棚のメリット・デメリット

完成品本棚は、家具の組み立てが苦手な方や、作業する時間・スペースを確保できない方に向いています。
特に大型本棚では、長い側板を支えながらネジを締めたり、組み立てた本体を起こしたりする必要がないため、作業の負担を減らせます。
一方、組み立て式より本体価格や送料が高くなる傾向があり、大型になるほど搬入も難しくなります。購入前には、玄関から設置場所まで運べるか確認することが大切です。
完成品本棚のメリット
届いたらすぐに使える
完成品なら、板の向きを確認したり、何本ものネジを締めたりする必要がありません。特に大型の本棚は組み立てに時間がかかるため、届いたらすぐに本を収納できるのは大きなメリットです。家具の組み立てが苦手な方や、組み立てるためのスペースを確保できない方にも向いています。
自分で組み立てる必要がないため失敗を避けやすい
完成品は工場で組み立てられた状態で出荷されるため、自分で作業する際に起こりやすいネジの締め不足や、部品の取り付け間違いを避けられます。大型の本棚になるほど、長い側板や棚板を支えながら正確に組み立てるのは大変です。組み立てに自信がない方にとっては、自分で作業せずに済むことも完成品を選ぶメリットになるでしょう。
工場で組み立てられているため仕上がりが安定しやすい
完成品は、工場で専用の設備を使って組み立てられているため、自分で組み立てる家具と比べて仕上がりに個人差がありません。
ただし、完成品だから棚板がたわまない、必ず頑丈というわけではありません。たくさんの本を収納する場合は、完成品でも棚板の厚みや幅、1枚あたりの耐荷重を確認して選ぶことが大切です。
完成品本棚のデメリット
組み立て式より本体価格と送料が高い
完成品本棚は、組み立て式と比べて本体価格が高くなります。さらに、完成した状態で配送するため、梱包したときの縦・横・高さの3辺が大きくなり、その分送料も高くなります。
例えば、幅88cm・奥行29cm・高さ180cm程度の本棚を配送する場合、家具業界向けに設定された一般消費者への配送実費では、組み立て式は2個口で5,400円、完成品では12,000円という差があります(2026年8月調べ)。
これは一般消費者向けの送料ではありませんが、同じくらいのサイズでも、梱包状態によって配送費用に大きな差が生じることが分かります。完成品を購入するときは、本体価格だけでなく、送料を含めた総額を確認してみてください。
大型本棚は搬入できないことがある
完成品で一番注意したいのが搬入です。設置する場所に十分なスペースがあっても、玄関や廊下、階段、エレベーターを通れなければ部屋まで運べません。
特に見落としやすいのが、廊下や階段の曲がり角です。本棚の横幅が通路より狭くても、高さや奥行きがあることで方向を変えられない場合があります。ドアノブや手すりなどの出っ張りもあるため、大型の完成品を購入するときは、本棚を置く場所だけでなく、玄関から設置場所までの経路も測っておくと安心です。
玄関先での受け渡しや追加の設置費用に注意
宅急便で配送される完成品本棚は、基本的に玄関先での受け渡しになります。そのため、受取後は玄関から設置する部屋までは自分で運ばなければなりません。大型の本棚を部屋まで運んでもらいたい場合は、開梱設置などのサービスを利用することになり、商品代や送料とは別に設置費用が必要になることがあります。
さらに、階段や玄関から搬入できない場合は、窓やベランダからの吊り上げ作業が必要になることもあります。作業方法や建物の条件によっては追加費用が高額になるため、通常の搬入が難しそうな場合は、購入前に配送業者へ相談しておきましょう。
大型の完成品本棚を購入するときは、配送方法だけでなく、玄関から設置場所まで自分で運べるのか、設置や吊り上げに追加料金がかからないかまで確認しておくと安心です。
模様替えや処分が大変
模様替えや処分が大変
大型の完成品本棚は重量があるため、一度設置すると簡単には動かせません。模様替えや別の部屋への移動にも人手が必要になることがあります。特に賃貸住宅に住んでいる方や、将来引っ越す予定がある方は、搬出時のことも考えておく必要があります。現在の住宅には問題なく搬入できても、引っ越し先の玄関や階段を通れるとは限りません。
また、分解できない完成品は、そのままの大きさで運び出す必要があるため、不要になったときの処分も大変です。
例えば、幅88cm・奥行29cm・高さ180cmの本棚を粗大ごみとして処分する場合、大阪市では1,000円、東京都渋谷区では2,300円の収集手数料がかかります(2026年10月確認)。
同じ本棚でも自治体によって料金が異なるため、処分するときは住んでいる地域の公式料金表を確認してください。また、自治体の収集を利用する場合は、指定された収集場所まで大きく重たい本棚を運び出す必要があります。
引っ越しや模様替えの機会が多い方は、分解・再組み立てに対応した商品や、持ち運びやすい小型本棚を複数組み合わせる方法も選択肢になります。
大型の完成品本棚を購入するときは、設置場所だけでなく、将来の搬出や処分まで考えてサイズを選びましょう。
組み立て式と完成品はどちらがおすすめ?条件別の選び方
組み立て式と完成品のどちらが適しているかは、価格だけでは判断できません。設置する住宅の条件や組み立てに使える時間、将来の引っ越し予定などによっても選び方が変わります。
| 購入者の条件 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 購入費用を抑えたい | 組み立て式 | 本体価格や送料を抑えやすい |
| 玄関や階段が狭い | 組み立て式 | 梱包状態で搬入しやすい |
| 一人暮らしで大型本棚が欲しい | 完成品+搬入設置サービス | 組み立てや運搬の負担を減らせる |
| 組み立てる場所がない | 完成品 | 部品を床に広げる必要がない |
| 組み立て作業が苦手 | 完成品 | 自分で部品を取り付ける必要がない |
| 引っ越しが多い | 分解・再組み立て可能な商品 | 搬出入しやすい |
| 大量の本を収納したい | どちらでもよい | 棚板の耐荷重や構造を優先する |
組み立て式でも、分解や再組み立てができない商品があります。また、完成品でも搬入設置サービスの有無によって購入後の負担が変わります。
自分の住環境や使用条件を整理し、商品ごとの仕様を確認して選びましょう。
本棚を購入する前に確認したい2つのポイント

価格や組み立ての手間だけでなく、設置したあとの重量や、将来本棚を移動する可能性まで考えておくと、購入後の失敗を減らせます。
ここでは、私が本棚を選ぶときに確認しておきたいと考える2つのポイントを紹介します。
本をたくさん収納するなら棚板の耐荷重と床材も確認する
本棚を選ぶときは、収納できる冊数だけでなく、本を収めたあとの総重量も考えておく必要があります。
例えば、本体重量が約36kgある大型本棚に、文庫本や専門書、雑誌などをぎっしり収納すると、本棚と本を合わせて100kgを超えることもあります。特にクッションフロアなどの柔らかい床材では、重たい本棚を長期間置くことで、底板や脚の跡が残ったり、床材が沈み込んだりすることがあります。
また、本を収納するときは、各棚板にメーカーが設定している耐荷重を目安にして、詰め込みすぎないことも大切です。
辞典や大型ファイルなどの重たいものはできるだけ下段へ。上段には軽い本や、万一の地震で落下しても大きな被害につながりにくい軽いものを収納しておくと、重心を低くしながら落下による危険も抑えられます。
本棚は「何冊入るか」だけでなく、「何をどこに収納するか」まで考えて使ってみてください。
将来の「引っ越しや模様替えの可能性」を逆算して選ぶ
本棚を購入するときは、今の部屋に置けるかだけでなく、将来の引っ越しや模様替えで移動することも考えて選びたいところです。
組み立て式本棚は、引っ越すときに分解すれば運びやすくなると思われがちですが、一度組み立てた家具を分解すると、ネジ穴が広がったり、再び組み立てたときに歪みや隙間が出たりすることがあります。商品によっては接着剤を使用するため、そもそも分解を想定していないものもあります。
一方、大型の完成品本棚は簡単に分解できないため、模様替えや引っ越しの際に移動させるのが大変です。特に2階に設置した重量のある本棚は、階段を使って下ろすだけでも二人以上の人手が必要になることがあります。数年以内に引っ越す可能性があるなら、分解することを前提に大型の組み立て式を選ぶより、そのままでも運びやすい中型までの本棚を選ぶのもひとつの方法です。
反対に、持ち家などで設置場所を変える予定がなく、長く使いたいのであれば、大型の完成品も選択肢になります。本棚は購入するときだけでなく、「数年後にこの本棚を動かすことがあるか」まで想像しておくと、自分の暮らしに合ったサイズやタイプを選びやすくなります。
まとめ|本棚は今の使いやすさと将来の移動まで考えて選ぶ

組み立て式と完成品には、それぞれメリットとデメリットがあります。価格や組み立ての手間だけでなく、搬入方法や設置後の移動まで考えて選ぶことが大切です。
組み立て式が向いている人
購入費用を抑えたい方や、自分で組み立てる作業が苦にならない方。賃貸住宅に住んでいて、将来の引っ越しや処分を考えているなら、一人でも運びやすい小型・中型の本棚が選択肢になります。
完成品が向いている人
家具の組み立て作業に不慣れな方や、組み立てるためのスペースを確保できない方、届いてすぐに使いたい方。大型の完成品を選ぶ場合は、玄関や階段などの搬入経路も事前に確認しておきましょう。
組み立て式と完成品のどちらを選ぶ場合も、今の住環境や収納したい本の量、将来の引っ越しの可能性まで考えることが大切です。価格だけで判断せず、自分の暮らしに合った本棚を選んでみてください。

